タヌキの休み場穴記録

2002年12月29日より、タヌキの休息場の穴に自動撮影ビデオカメラを設置した。この穴は、集落から約10分くらいのスギの植林地南向き斜面にある。1年くらい前に友人が見つけたもので、穴の入り口の直径・規模(入り口が少なくとも7カ所ある)から判断してアナグマが出入りしているのではと予想していたが、カメラを設置してみると、実際に出入りしていたのはタヌキの一家であった。タヌキは、一般的にこういった規模の穴を掘る事は少ないようなので、元々アナグマかキツネの掘った穴を休み場として使っている可能性が高いと思われる。ビデオカメラのナイトショット機能を使って撮影しているので、画像が今ひとつ不鮮明で、今のところ個体識別はできていないが、最多時で3頭が同時に出入りしている事が確認できた。

この周囲10mくらいの中に、似たような穴が7カ所あって、中でつながっていることも考えられる。規模から、タヌキが掘ったとは考えにくい。

2002.12.31 11:39

この日は、珍しく、昼間現れて、穴に入っていった。カメラを設置してからも連日、昼間の休み場として使っていた。

2003.1.6 19:23

穴の前に2頭座って、1頭がもう1頭にグルーミングしている。1月7日まで連日、昼間の休み場として使っていた。

2003.1.6 19:44

2頭のタヌキがいるところに、穴の中からもう1頭出てくる。3頭が、どういう関係なのか不明であるが、一般的なタヌキの社会構造からすると、カップルのタヌキとまだ独立していない昨年仔ではないかと考えられる。

2003.1.8 7:51

カモシカが現れ、穴の入り口付近の臭いを嗅いで、さらに入口脇の雪をなめているようである。タヌキのマーキングの尿の塩分をなめた可能性もある。2分くらい付近の臭いを嗅いだりしてから立ち去った。カモシカは12月30日にも現れた。この日の夜、キツネがすぐそばを通過した。

2003.1.15 19:36

1月7日以来、久しぶりにタヌキが3頭現れ、この穴を泊まり場として使った。穴から出るとすぐグルーミングしあっている。3頭のタヌキが確認できたのはこの日が最後で、この後は1〜2頭のタヌキしか確認できなくなった。2月にはいると交尾期が始まるので、その前に昨年仔が独立した可能性が高いと思われる。

2003.1.18 7:25

キツネが穴の様子をうかがっていたが、カメラを警戒したのか走り去った。

2003.1.30 17:52

2頭のタヌキが出てきて、この後立ち去った。このころは、週1日くらいの利用頻度であった。タヌキは、元々、いくつかの休み場を持ち、エサ場などに応じて時々休み場を変えるといわれているが、ただ単にそういったことなのか、交尾期を間近に控えての何らかの変化なのか、あるいはカメラの存在を嫌ってしだいに現れなくなったのかは不明である。

2003.2.13 3:51

ハクビシンが穴に入っていった。素早く出たためか出るところは写っていなかった。ハクビシンは1月31日にも現れた。2月7日にはネコも通過した。

2003.2.13 19:06

テンが、穴に入ってすぐ出てきた。

この後、タヌキは、2月18日に2頭、2月28日に1頭が現れた。しだいに休み場の利用頻度が下がってきており、交尾期に入ってきてカメラの存在を警戒している可能性もあるので、3月2日に、ビデオカメラを撤去した。

2005年の冬になって、再び、穴の利用状況を調べてみようと再びカメラを設置したところ、2年前に引き続き、タヌキの利用が確認された。

2005.1.10

2匹の関係は不明。(夫婦か、親仔か、兄弟姉妹か)

2005.2.6

穴から出て、首を振って泥を払う。

2005.2.12

カメラを警戒している。

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